このニュースを見た時、真っ先に「海上保安庁が活躍したんだろうなぁ〜」と思った。
というのも、最近ずぅ〜っと、佐藤秀峰氏の「海猿」にハマっているからだ、
本当にこの海猿面白くて、Kindle Unlimited で2回読み返したけど、何度も読み返すに耐えるものだよホントに。
あまりに面白いものだから、紙の本で買って家に愛蔵版的な形で残しておきたいとすら思うし、将来子供を、特に男の子を設けたとしたら是非読ませたいと思うようなものだ。
それくらいこのマンガには熱量を感じるし、それはまるでパテック・フィリップの腕時計のように、親から子へ、世代から世代へ受け継がれてしかるべきマンガだと思っている。
脱線した。
ニュースのこの男性はどのような形で亡くなったのかは分からないけれど、溺れたのだとしたら潜水士が揚収*1したと思われる。
海猿にもあるけれど、潜水士の仕事は揚収が少なくないようで、海中の遺体は時に紫色になっていて倍以上に膨らんでいたり、目などを魚に食べられていたりなどしている場合があるそうだ。
海猿では主人公の仙崎大輔の後輩の潜水士、入谷が揚収を初めて経験し、いま書いたような揚収のケースもあるということを先輩から聞き、
「オレはこんなことをしたくて潜水士になったんじゃない!!」
と、叫ぶ。
この言葉、大変深いものではないだろうか。
アルバイトを始めるなり会社に入るなりで仕事を始めたときに、思ってもないような仕事をさせられることで、カルチャーショックという大きなギャップを感じる人は少なくないだろう。
そのギャップを乗り越えるか、或いはドロップアウトしてしまうかは、その人とその周りのフォロー次第かと思うが、一番大事なのはカルチャーショックを感じる前に何をすべきか、知っておくべきか、ということではないだろうか。
海猿の入谷くんであったら、実際の現場での主な業務を知識として知っているだけでなく、ケースとしての実際の現場のリアルな状況や、現場の先輩方の心境を知っておくべきだったと思われる。
ここから飛躍すると、就活においては必ずOB訪問やインターンを経験しておくべきではないかと思う。
私自身もそうなのだけれど、入社して3年以内で辞める人が3割以上というのは、自分が思い描いている現場と実際の現場にギャップが大きいからに違いなく、それが心身ともに耐えられない状況になってしまうからだと思う。
それを少しでも抑える為には、OB訪問で現場のリアルを聞き、インターンで現場のリアルを体験することではないかと思う。
それが難しいとしたら、説明会やネットでの求人情報欄に、現場のリアルを明記すべきだ。
まぁ今では会社の口コミサイトで、現場のリアルなことが分からないでもないが、匿名だし、そもそもオフィシャルなものでもないので、信憑性が薄い。
なので、今後の就活においては、
- 会社情報でデメリット的情報をもしっかり公開
- OB訪問
- インターン
この三つを義務化までもいかないまでも、必ず行うことで、かなり満足のいく職業人生を歩むことができるのではないだろうか。
海猿の新人潜水士の入谷の話に戻るけれど、そもそも揚収という仕事が好きな人なんて一人もいないはずだ。
死刑囚を死刑にする為の仕事が好きな刑務官なんているはずがないのと同様に。
これらは公務として、世のため人のため、遺族の為に行われるものだから、自分がしたくてする仕事でないのは当然であり、やりたい仕事がある人は公務員になってはいけないとも言えるかもしれない。
義務感というのだろうか、「オレがこの国を、地域を守っているんだぜ」「やりたいことではなく、やるべきことをやるんだ」という誇り、プライドだろうか。
こういった自分の身を捧げるという奉仕の気持ち、モチベーションがなければ、きっと公務員としての仕事は決してできないのだろう。
そう考えると、好きな仕事、自分に向いている仕事ができるということは、ある意味とても恵まれていて贅沢なものだ。
私アルテマ自身、いろいろあってまた学習塾の先生の仕事を7月から始めるわけだけれど、これもまたとても贅沢とも言える。
海猿の入谷の台詞からこんな結論になるとは思わなかったが、仕事については今後も考えていきたい。