僕は彼女と遠距離恋愛をしている。
彼女は名古屋で、僕は千葉にいる。
彼女と僕は元々同じ職場だったが、昨年5月に僕が病気になって休職して、それを機に転職活動を始めた。
その時の職場は給料・ボーナスが低く、かつサービス残業がひどく、更に深夜帯の勤務だったため、それが完全に、もう全く、それは水と油のように、私の身体には合わなかった。
これが転職を考えるキッカケであり、病気になった原因ともいえる。
転職活動はうまく行き、秋に第一志望の企業から内定をもらった。
全くの異業種の転職となったが、今は健やかに、かつそれなりに愉しく働くことができている。
給与や福利厚生の面でも、以前の職場に比べたらずいぶんいい待遇となった。
しかし、彼女とは遠距離となってしまった。
ほぼ毎日テレビ電話をし、隔週のペースで会っている。
でも、僕も彼女も、はやく一緒に暮らしたいと思っている。
そうなると結婚、ということになるが、僕はまだ転職してすぐなので、もう少し仕事に慣れてから結婚したいと思っている。
彼女は今の仕事に、以前よりも大きな責任がともなっていて(つまり信頼されているという点で、これは喜ばしいことだが)、心身ともにとても辛そうである。
そのため、よく彼女は私に言う。
「働きたくない」
と。
僕は、
「世には数えきれないほどの沢山の仕事があって、その中には自分にぴったり向いているものがあるはずだから、『働きたくない』のは、現状の仕事が向いてないということだから、思い切って会社を休んで、転職の準備をした方がいいんじゃないかな。」
と思う。
もちろん、働かなくても収入がどんどん入ってくるほどの株や不動産、あるいは莫大な遺産相続などを受けていれば、それはそれでいいのかもしれないが、それはまるで映画「ザ・グレート・ギャツビー」の世界であり、現実味がない。
現実味がないし、働かないと、どこか傲慢になってしまいそうで、謙虚さを忘れ、また「自分は社会に役に立ってなくて申し訳ない」という、罪悪感を感じてしまいそうだ。
僕自身、去年は半年ほど休職してた訳だが、休職の後半は、社会に貢献してないことの申し訳なさ、あるいは「働きたい」というウズウズ感が、ものすごくあった。
それと、働いてないわけだから、貯金がどんどん減っていく怖さも、それは強かった。
年取って年金生活になったり、莫大な金融資産があれば働かなくていいのかもしれないが、やはり僕は「働きたい」と、根本のところで思っているという自己意識を発見した。
その意味では病気で休職したことは結果としてよかった、すごく、よかった、と思っている。
今、僕は金融系の外回りの営業の仕事をしている訳だが、これは自分に向いていると思う。
まず、活動時間が朝から夕方であるし、いろんな所のいろんな人とお話をするという仕事なので、もともと人と接する仕事がしたかった自分には、それは「やりたくて、かつ向いている仕事」だと思っている。
やりたい仕事と、向いている仕事は普通は違う。
「やりたい」は、理想的で、「向いている」は、現実的なレベルだから、これを一致させることが就職活動でもっとも大事なことだ。(もしこのBlogを就活生が見ていたら、ここを特に強調したい。)
脱線した。
働くことについての話だった。
僕が、
「思い切って会社を休んで、転職の準備をした方がいいんじゃないかな。」
というと、
彼女はこう言う。
「休むと会社に迷惑がかかる。休んだら回らなくなる。」
と。
会社に迷惑がかかる点はその通りだと思う。
でも、自分は会社のために生きている訳じゃないはずだ
僕は以下のように考えている。
「自分の人生を自分が好きなように生きていくことが重要。
もちろん人に迷惑をかけないというのは大事だけど、そこのバランスを考えた上で、自分の人生を生きていくことが一番大事。
人に失敗とか落伍者とか言われるのを恐れている時点で、その人生そのものが失敗。それは人の人生をを生きていることになるから。」
いささか極端なところがあるかもしれないが、これは大前研一氏の影響を強く受けているところがあるからだ。
ただ、一度きりの「この自分」の人生なことは間違いなく真理なので、「自分がどうしたいか?」が、人生においてもっとも重要な問いではないだろうか。
このことを踏まえると、やっぱり会社はうまく休むべきだと思うし、そもそも会社というのは「のために」働くのではなく、「を利用して」働くものかと思っている。
会社の看板を利用して顧客開拓をしたり、休暇をとったりする。
これは、自営業ではなかなか難しいものだろう。
自分が休んで会社が潰れるなら大変だけど、いい意味で、替えのきく人材が存在する、というのが、会社組織だ。
僕は前の職場ではある責任者だったが、急に休職して会社からいなくなっても、前の職場は倒産していない。
そういうもんじゃないかな。
会社は利用してなんぼかと思うし、こちらから働きかければ、結構「動く」ものだと思う。
しかも、僕のように急に働けなくなっても、傷病手当金もしっかり出るため、やはり会社は「使える(使う)」存在である。
今は以前に比べて転職もしやすくなった。
ただし、転職にかかる費用は、なかなか高くつく。
そのため、いつ転職してもいいように、あるいは辞めてもいいように、預貯金だけはしっかりしておくことが、一番大事かもしれない。
これも、自分の人生を生きるために、だ。
今度は会社論になってしまった。
彼女はまた、
「今の会社(僕にとっての前の会社)を辞めた所で、新しい職場で新しく人間関係をつくるのが面倒」
という。
これは分かる気がする。
特に女性の場合は、人間関係が男社会よりも複雑怪奇(!?)なものだから、それは大変かもしれない。
しかし、僕は、
「今の職場なら今までと同じ『辛さ』は継続されるだろうけど、新しい職場なら新しいこと覚えて大変かもだけど、人間関係をリセットできる。」
と思っている。
同じ職場にいても、ローテーションはあるからリセットはあるかもしれないが、環境や人間関係を変えることが、自分を変えることだ、と、大前研一氏も言っていた。
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いろいろと書いてきたけど、一番は彼女と幸せに暮らすことだ。
今は離ればなれで、お互いの現状や考えは違う所があるけれど、早い段階で、できれば今年の後半頃には一緒に住むことは難しくても、お互い近くに住む関係になりたい。
最近、結婚を「損得」や「コスパ」で考える人がいるようだけど、僕は決してそうではない。*1
「一緒に暮らしたい人がいるから、結婚する。」
それでいいんじゃないかな。
*1:「損とか得とかで結婚したわけじゃないよ」 夫のひと言に思わず涙が - withnews(ウィズニュース) https://withnews.jp/article/f0180125003qq000000000000000W00o10101qq000016574A