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なので、高校時代にリアルタイムで見ていて、底抜けに感動したオレンジデイズを再び見ている。
当時は何となく、面白いなぁ〜、なんか引き込まれるなぁ〜と、思って毎週楽しみに見ていたのだが、いま、あれから13年経って改めて見返すと、なぜ感動したのか、なぜ回復不能なまでに心揺さぶられるのかが、分かった気がするのだ。
それについて書いていきたい。
手話という、踏み込んだコミュニケート
このドラマの他と違うところは、ヒロインの耳が聞こえなく、手話でコミュニケートがされていくことだ。
普通のドラマはしゃべり言葉でコミュニケートしていく訳だが、このドラマはそれよりも更に深いレベルでコミュニケートしている。
しゃべり言葉プラス、手話で繰り広げるので、俳優たちが本当に迫真の演技で、ありったけの思いを込めてお互いコミュニケートしているのがバシバシと伝わってくるため、結果としてそれがなんとも、とびっきりエモーショナルな物語になっているのだ、これが。
特に、ヒロインの紗絵(柴咲コウ)が、櫂(妻夫木聡)に対して、
「なんで・・・なんで『私』なの・・・!?
なんで私だけが耳が聞こえなくなるの・・・!?
他にも・・・どうでもいい人がいるじゃない・・・!?
なんで・・・なんで『私』なのよ・・・!?」
と、手話で思いの丈を妻夫木に語り、慟哭するシーンは圧巻だ。
私はこのシーンを東京へ向かう東海道新幹線内で見たのだが、こぼれ出す温かい涙をどうしても抑えることができなかった。
というのも、わたしもこの「なんで私なの!?」という台詞に、深いレベルで共感したからだ。
私は小さい頃から頭痛を持っていて、予期しないときに頭がガンガン痛くなる。
また、5月に鬱病となって、薬の副作用に苦しんだり、回復後に転職活動をし、内定を確信していた会社から不採用の通知を受け、振り出しに戻されるという仕打ちを受ける。
さらに、2年前に前立腺炎となり、一回完治したのだが、1ヶ月前再発し、まだ薬を飲んでいるのだが、痛みがひどいときはまともに歩けず、声も出すことも困難になる。
このような状況であり、こんな人は少なくとも私の周りでは聞いたことがない。
そのため、ドラマ内の柴咲コウではないが、
「なんでオレだけこんな目に遭うんだ・・・!?」
と、思いもする。
これはしかし、捉え方によれば天から試練を授かったものともいえるので(天命のようなもの)、それをいかにして乗り越えるかが人生の鍵とも言える。
まだオレンジデイズは3話しか見てないが、紗絵(柴咲コウ)は、耳が聞こえないことを一つの天命として捉え直し、今後乗り越えていくのではないだろうか。
妻夫木聡の演技力
もう一つ、このドラマには見所がある。
それは、妻夫木聡の演技力だ。
妻夫木の、出演者、特に柴咲コウとコミュニケートするときの「眼」が、素晴らしい。
動揺。感動。失望。歓喜・・・。
それらがものの見事に表現されていて、見る人の心を奪う。
また、個人的な感情だが、私自身が妻夫木を好きだから、このように思うのかも知れない。
私アルテマは男性で、ヘテロ・セクシュアルであるが、仮に私が女性だったとしたら、妻夫木聡に完全に惚れていることだろう。
そのため、このようなひいきな評価をしたのだが、おそらく共感してくれる人はいるに違いない。
今後もオレンジデイズを愉しみたい。
追記
原作もなんだか面白そうですね。