立川談志が、好きだ。
自分が今仮に15.6歳だとしたら、弟子入りしたいくらい、好きだ。
ゲーテの、
「人は、自分が愛する対象からのみ、学ぶことができる。」
が、思い出されるが、それくらいである。
なぜ好きか、と聞かれても、それはよく分からない。
強いて言うなら、本人から滲み出る「自信」並びに「人が大好き」かつ「自分大好き」という性質が、彼の話口調から見て聞いて取れるからだろう。
少なくとも私はそう感じる。
そこで今回、というか最近は車の中で立川談志のDVDを「聴く」のがマイブームなのだが、今回は「ざ、まくら スペシャルトーク」を聞いた。
その中の一節で立川談志は、弟子のことをネタにだして、こんなことを言っていた。
あいつら俺のことを落語のネタにしてるんだけど、それがサッパリ面白くないんだってね。
この前オレにそうクレームきたよ。
「立川談志」という、やりようによっちゃあいくらでも料理できる材料を、あいつら、めっちゃくちゃにしちまうんだから。
アッタマ悪いねぇ〜。ホンットアッタマ悪い。
本当おめぇら聞いてろよホントに。(ここで舞台袖をチラッと見る)
落語家ほど頭悪いやつなんてこの世にいないんじゃないすか。
だから最近私はね、落語家とだけは付き合わないようにしてるんです。
(万座の爆笑)
「アッタマ悪い」の流れ、これ壮大なる『愛』を感じざるをえない。
「アッタマ悪い」とは、文字言語レベルだと、明らかに「悪」口であるが、
それが立川談志の口から語られ出し、
かつ弟子についての文脈の中に放り込まれると、これ「愛」を語るもの以外の何物でも思えなくなる。
不思議だ。
ここから、「言葉とは何か?」について考えたくなったが、あまりにも壮大になってしまいそうなので、ここまでにしよう。
少なくともこれだけは言わせてほしい。
私は立川談志が好きだ。

DVD>立川談志:ひとり会落語ライブ’92~’93 第6巻 「ざ・まくら=スペシャル・トーク」 (
- 作者: 立川談志
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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