その刹那、一人の学生アルバイト風のガールは、
「んっフフッ〜〜♫」
といった程の、いささか高めなテンションでそのBGMに乗り始めた。
私はその光景をみて、
「……は?」
と、思うと同時に、
「楽しそぉだな…(笑)」
という、アンヴィバレントな感情を抱いた。
「…は?」と思ったのは、勤務中、つまりお金が発生しているのにもかかわらずに仕事をしておらず、『自分の好きであろう』曲につい反応してしまっている「甘さ」がそこに見てとれ、
「…ダメやん、やっぱりバイトって甘いな。」
と、批判的に思ったのだ。
その一方で、そのガールは、言うなれば仕事中でも普段のウキウキなテンションでそこに在ったゆえ、その姿勢は仕事に対する、一つの肯定的態度と思え、
「…いいな。僕ももっと仕事に対して楽しむ気持ちを持たねば…!」
と、奮起させられたからだ。
まとめると、
『音楽は偉大だ』
ということである。
音楽は、「公」と「私」の間を縦横無尽に駆け巡るものであり、それは一つの神(ミューズ)的なるものだ、と。