
『芸術とは盗むことだ』
というのがある。
佐野氏はベルギーのロゴを「盗」んだのではなく、そのまま真似てしまったところに「失敗」があったのではないだろうか。
「盗む」というのは、文字どうり、盗まれた本人がわからない形で作品が昇華されることだ。
つまり、「盗」んだあと、如何に自分なりに「仕上げる」かが肝であろう。
それでなければ、やはり今回のように「真似た」と告発されてしまうからだ。
しかし、別の視点から考えるとベルギーのデザイナーの告発は「ちょっとどうかな」と思う。
自分の芸術が真似された、というのは一見屈辱的ではあるが、実は大変名誉なことである。
真似されるということは、その作品が他者によって有用であり価値があると思われたからこそ、なのだ。
ゆえにベルギーのデザイナーは佐野氏を責めるのはお門違いで、むしろ名誉に思わなければならない。
今回の件で佐野氏は「限界状況だ」と苦しみ、ベルギーのデザイナーは「勝利だ」と謳っている。
「……????」
と、思わざるを得ない。
「負けるが勝ち」という言葉がある。
今回佐野氏は「負」け、ベルギーのデザイナーは「勝」ったかもしれないが、これで終わりではあるまい。
この件については本当に違和感が拭えないため、ブログで書かせていただいた次第である。