上は友人が作詞作曲した唄である。
一言でいうと、「普通にいい」曲だと思う。
ただ、あくまで「普通に」ということなので、「物凄く」「全身に鳥肌が立つような」「まるでこの曲を聴くために生まれてきたんじゃないか、という錯覚を覚えるほど」、いい、というわけでは、ない。
路上ミュージシャンでこういう楽曲を歌っている人がいたら、
「あ、なかなかいいかもな」
と思うも、サーっと通り過ぎてしまう感じである。
友人には申し訳ないが、以上のような感想を抱いた。
「全く、お前なんかにはどうせ作れないくせに、勝手なことばっかり言いやがって…」
と、友人は思うかもしれない。
しかし、こういった、素人からの「勝手な」意見をシャワーのように浴びなければならないのが、クリエイターのクリエイター性を担保するところのものではないだろうか、と思えてならない。
言うだけ言ってやらない人はしかし、言われるだけ言われても「やる」ひとには、遂に「勝つ」ことはできない。
こんな話がある。
「毀誉は他人に存す。行蔵は我に存す。」
つまり、「批判するのは外野の仕事、行動によって世の中を変えるのは私の仕事だ」という意味だろう。
ここには、「言うだけなら誰にもできる。しかし形として、結果として表せることができるのは、『できるやつ』にしかできない」というニュアンスがある。
別な言い方をすると、批判者と行動(創造)者は、そもそものはじめから
『格』
が、違うのだ。
そう私は思う。
上で私は友人の楽曲を私は批判したが、しかし根本のところは応援している。
友人の“音楽的未来”に幸多からんことを。