区役所に用があって出向いたら、入り口のところに献花台があった。
献花台の横の白いテーブルの上に白い菊の花が置いてあり、そこに喪服を着た女性二人が立っていた。
なんとなくお金はかからなそうな雰囲気であったので、献花させていただいてよろしいですか、とそのまま伺ったらできた。
献花台周辺は大変厳かな雰囲気であり、区役所の他の場所とはまるで一線を画していた。
対応して頂いた女性たちも礼儀正しく、また厳粛な雰囲気であったので、「役に入っているな」と感じられた。

嘆息した。
広告本来の持ち味である、その、見る人を魅了するような色使いをしつつ、震災からの日にちを出し、我々生き残った人たちへの、震災に対する具体的回想を喚起させるような内容。
豊かな国土。緑豊かなる大地。恵みとしての大自然。あるいは脅威としての───
それ、大自然を広告の全面に提示し、生々しき現実を喚起させる。
この広告には、厳粛さを感じざるを得ない。
あれから1461日。
私自身はボランティアをしたりすることはなく、したことといえばトータル数万円ほど募金をしたほどだ。
これは「貢献」といえるのだろうか、と、今でも思う。
そう考えると、本当の「貢献」というのは、実際に現場に出向き、震災被害者に面と向かって「ありがとう」といわれて初めて「貢献」と いえるのではないか、と、振り返って反省しつつ思う。
情けは人の為ならず。
しかし、そんなことを後悔してばっかりでもしようがない。
私は私の持ち場で精一杯のBestを尽くすこと、それが『彼ら』への「貢献」でもあるかもしれない。
僕たちは生き残されたけど、そっちの世界に行くまで、僕は僕の持ち場でできる限りの最善を尽くして、何が何でも復興させるから、どうか、温かく僕らをお守りください。