
かつて、2000年ごろだと思うが、『ガチンコ!ラーメン道』という番組があったのをご存知だろうか。
当時私は小学生で、その番組はたまにしか見れなかったが、そこでの主人公というか、指導者である佐野実に対しては、
「…なんか怖くて、近寄りがたいおじさんだな……(^_^;)」
という印象をずっと抱いていた。
ただ、佐野実の作るラーメンについての興味は強く、いつか食べてみたい、と、当時からずっと思っていた。
そしてそれから10余年。
とうとう支那そばや本店に来ることができた。

今となっては故人となってしまった佐野実。
大変残念ではあるけれども、味は継承されていると信じ、入店。
とても美味しかった。
やや麺が柔らかくまた細くて、そこだけがとても勿体無いな、と思われたが、それ以外は素晴らしかった。
一番スタンダードだと思われる醤油ラーメンを注文したのだが、そこにはチャーシューが2枚入っていて、またシナチクが一般的な形ではなく、まさにタケノコ的な形をしていて、見るのにも美味しいラーメンだな、と思われた。
食べ終わって、御手洗いに行く。
個人的な信念として、飲食店で最も重要な点のひとつに御手洗いの清潔さが、あると思う。
支那そばや本店のトイレはとても綺麗だった。
やはり、佐野実の美学は、こういったところにも行き届いているのだな、と思わずにいられなかった。
また、御手洗いは二階にあったのだが、その隣に製麺室があり、またそこはガラス張りとなっているため、外から見学できる形になっていた。
このように製麺室がドーンと、外から見えるラーメン屋は初めてで、いささかならぬ感動を覚えた。
おそらく、こういったところにも、佐野実の美学というか、一種の遊びゴコロがあるのではないだろうか。
支那そばや本店は、他にも味噌や塩もあった。
機会があればまた来たいと思った。


- 作者: 佐野実
- 出版社/メーカー: 竹書房
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