はてなブログのトップページに毎回「村上さんのところ」が出てくるので、毎回みている。
そこで昨日、ふっと気になったフレーズがあった。
それは、「幽霊をみたことがありますか?」の質問で出てきた。
僕は「呪われた血とか呪われた場所」みたいなものとは、これまでのところ無縁に生きてきたような気がします。幽霊もきちんとは見たことがありません。幸いなことに……というべきなのでしょうが。でもそういうものが存在する(だろう)ということは理解できます。いろんなことがうまく行くといいですね。
村上春樹拝
先ず気になった点は、署名の最後に『拝』を入れているところだ。
この一文字に、村上春樹氏のクライアントフレンドリーさを、他者に対する優しさをかいま見ることができ、はじめて「村上さんのところ」に訪れた際はグッときた。
そして、なんといってもぐっときたところは、
「いろんなことがうまく行くといいですね。」
という一文。
なぜこの一文がぴょこっとでできたのか、前の文章の流れから考えてもよくわからないのだが、それが小説家の真髄、或いは「力」のようにも思う。
「いろんなことがうまく行くといいですね。」
いやしかし、これも先に挙げた、「拝」同様、クライアントフレンドリーに満ちた一文なのでありましょう。
その「他者に対する優しさ」が根底にあるからこそ、村上春樹氏は大作家として名を挙げたのではないか、と思われてならない。