それは「不思議な」面白さだ。
この9巻自体、16年も前のものなのに、その面白さは風化しない。
まずこの漫画、表紙、裏表紙、カバー外した表紙、その裏表紙とで4コママンガに
なっているつくりがまずユニークだ。
そして内容。
一言で言うと動物たちの冒険マンガだけど、ほぼ、ギャグマンガだ。
「ぼのぼの」で有名ないがらしみきお先生が描くものだから、もちろん
ギャグは下品なものとならず、非常にシュールかつどストレートなもので、
かつ田舎くさく、それでいて本質をついているようで、また要所要所に
「遊び」の思いつきが、主人公のまん丸(ベンギン)によってなされ、
都会で暮らすものとしては、
「あっ、都会で暮らしていると、「遊び」自体がすでに与えられているもので、
こうやって創造することがないな。。。」
と、思い知る。
まん丸の言動は先輩忍者のタヌ太郎(たぬき)やツネ次郎(きつね)をいつだって振り回す存在であるが、それが物語を何よりも面白くしているものとなっている。
まん丸はそうだ、言うなれば「トリックスター」なのだ。
言い方はあれだが、つまり秩序の破壊(混乱)者なのだ。
そのような存在は大事であるよと、いがらしみきお先生は、まん丸に、
そして作品全てに混めたのかもしれない。